財 政 分 析


> 標準財政規模 > 実質公債費比率 > 形式収支 > 実質収支
> 実質収支比率 > 単年度収支 > 実質単年度収支 > 自主財源
> 依存財源 > 一般財源 > 特定財源 > 財政力指数
> 経常収支比率 > 公債費比率 > 公債費負担比率 > 起債制限比率
> 基礎的財政収支
(プライマリーバランス)



○ 標準財政規模

    
地方交付税算定時に基準財政収入額を基に求められる標準税収入額に、地方譲与税、交通安全
  
対策特別交付金、普通交付税を加えたもので、地方公共団体の標準的な一般財源の収入額を表しま
  
す。

  標準財政規模=標準税収入額+地方譲与税+交通安全対策特別交付金+普通交付税




○ 実質公債費比率

    
実質公債費比率は、起債制限比率について、市場の信頼や公平性の確保、透明化、明確化等の
  
観点から一定の見直しを行った新たな指標であり、公債費等による財政負担の程度を客観的に示す
  
指標として、実質的な公債費に費やした一般財源の標準財政規模に占める割合を表すものです。
  
来と異なるのは、元利償還金に水道や交通など公営企業の支払う元利償還金への一般会計からの
  
繰出金、PFIや一部事務組合等の公債費に類似する経費を算入することで、いわば連結決算の考
  
え方を導入しています。  この実質公債費比率が18%を超えると、地方債許可団体に移行するこ
  
ととされています。すなわち、許可制度がかなり広範に残ることになり、25%を超えると、単独
  
事業の起債が認められない起債制限団体となります。

  実質公債費比率=[(A+B)−(C+D)]/(E−D)

    A;地方債の元利償還金(繰り上げ償還等を除く)
    B;地方債の元利償還金に準ずるもの(「準元利償還金」)
    C;元利償還又は準元利償還金に充てられる特定財源
    D;地方債に係る元利償還に要する経費として普通交付税の額の算定に用
      いる基準財政需要額に算入された額(「算入公債費の額」)及び準元利
      償還金に要する経費として普通交付税の額の算定に用いる基準財政需
      要額に算入された額(「算入準公債費の額」)
    E;標準的な規模の収入額(「標準財政規模」)




○ 形式収支

    
歳入決算総額から歳出決算総額を差し引いたものです。



○ 実質収支

    
形式収支から翌年度に繰り越すべき財源(継続費、繰越明許費など)を控除したもの。実質収支が
  
プラスとなれば黒字で、マイナスとなれば赤字ということになります。



○ 実質収支比率

    
実質収支を標準財政規模で割ったものです。通常3〜5%が適当とされています。



○ 単年度収支

    
当該年度実質収支から前年度実質収支を差し引いたものです。



○ 実質単年度収支

    
単年度収支に実質的な黒字要素(財政調整積立金・地方債繰上償還額)を足し、実質的な赤字要
  
素(財政調整基金取り崩し額)を控除したものです。



○ 自主財源

    
町が自主的に収入することができる財源のことをいいます。町税、分担金及び負担金、使用料、手
  
数料、財産収入、寄付金、繰入金、繰越金、諸収入がこれに当たります。



○ 依存財源

    
自主的に収入することができない財源のことをいいます。国庫補助金や町債など自主財源以外のも
  
のがこれに当たります。



○ 一般財源

    
財源の使途が特定の目的に限定されずに、どのような経費にも充てることができる財源のことをい
  
います。町税、地方譲与税、利子割交付金、地方消費税交付金、地方交付税などがこれに当たりま
  
す。



○ 特定財源

    
一般財源に対し、その使途が特定されている財源のことをいいます。国・県支出金、使用料、手数
  
料、財産収入、町債などがこれに当たります。



○ 財政力指数

    
基準財政収入額を基準財政需要額で割ったもので、1以上となると普通交付税が交付されない不交
  
付団体となります。地方公共団体の財政力を見る指数としてよく使われ、この指数が高ければ高いほ
  
ど、財政が豊かであるといわれています。普通は3カ年平均の数値を使用します。



○ 経常収支比率

    
地方公共団体の財政構造の弾力性を判断するために用いられている指標。
    
人件費、扶助費、公債費など毎年度経常的に支出される経費(→経常的経費)に充当された毎年
  
度経常的に収入される一般財源(→経常一般財源)の割合。経常一般財源は、経常的経費に充てら
  
れてなお残余があるのが通常ですが、この残余の度合いが低ければ低いほど、財政構造の弾力性が
  
失われているといえます。

  経常収支比率=[経常的経費充当経常一般財源] / [経常一般財源]×100(%)




○ 公債費比率

    
町債の元利償還金等である公債費を標準財政規模で割ったものです。標準的な一般財源に対する
  
公債費の割合を算出することにより、他団体との比較が可能で、客観的な町の公債費状況が分かり
  
ます。



○ 公債費負担比率

    
公債費の中で特定の財源を持たない経費の一般財源総額に占める割合で、比率が高いほど自由
  
度の高い一般財源を多く充ててしまっていることになり、財政構造の硬直性が高まっていることに
  
なります。



○ 起債制限比率

    
公債費比率と同じような算式で計算しますが、町債が過大とならないよう一定の制限を設ける時の
  
指標として用います。



○ 基礎的財政収支(プライマリーバランス)

    
歳入から起債発行額を引いたものと、歳出から公債費(町債の元利償還金など)を引いたものの差
  
で、基礎的な財政収支のことをいいます。プライマリーバランスが黒字の場合は、公債費以外の歳出
  
を町債以外の歳入でまかなっていることになり、町債の残高も過大に増えることはない健全な状態で
  
あると言えます。一方、プライマリーバランスが赤字の場合は、公債費以外の歳出について町債を発
  
行しなけらばまかなえず、将来の世代に負担を先送りしている状態で、町債の残高も増えることにな
  
ります。